鳥と実

山に登り、鳥になごみ、手仕事をして暮らしたい

【山旅・鳥旅】夏の終わりの乗鞍岳-雷鳥探した3日間(2023年8月) | 出会った鳥と花

夏の終わりの2泊3日の乗鞍岳。最終回は出会った鳥と花についてまとめます。

※Day1~3の様子はコチラからどうぞ → Day1Day2Day3

※記事の最後にデータをまとめています

出会った鳥さんたち

鳥の種類は少なめ

森林限界を超えて樹種が限られているためか、多種多様な樹木がある森に比べて鳥の種類はあまり多くない気がしました。どこに行っても常連さんのカラ類を一度も見なかったのにはびっくり。

ライチョウ探しのポイント

ライチョウを探すポイントはハイマツ帯。ハイマツとの境の辺りを順繰りに目を移して動くものを探すようにするといいらしいです。タカがやってくる上昇気流が発生していない朝夕や、曇りやガスが出て見通しが悪い条件がねらい目だとのこと。

乗鞍高原には白樺峠というタカ柱が立つほどの猛禽類の渡りのメッカがあります。9月中旬頃には乗鞍岳上空も多くのタカが通過するため、ライチョウはハイマツの下に隠れてしまい、遭遇率が低くなるそうです。

渡りの水鳥も立ち寄るらしい

白雲荘さんの展示によると、鶴ヶ池には渡り途中のオナガガモやシマアジなどの水鳥が羽を休めに降りてくることがあるそうです。近所のお池にやってくるオナガガモがもしかしたら乗鞍岳を通過してきたのかも?と思うと、何だかワクワクします!

今回出会えた鳥さんたち

ホシガラス
イワヒバリ(😊)
カヤクグリ(😊)
ジョビコ(=ジョウビタキ♀)
イワツバメ
メボソムシクイ(👂)
※( )内は正式名称。😊: はじめまして。👂: 鳴き声だけ。

ホシガラス

ハシブトガラスより一回り小さく、クリクリお目めが可愛いホシガラスは、高山を代表する鳥さんのひとつ。畳平一帯をいくつものホシガラスがふわりふわりと飛び交っている光景に驚きましたが、秋が近づくこの季節はハイマツの種子を目当てにホシガラスが集まってくる時期だそうです。

実ったハイマツの松ぼっくりをくわえて平らな場所に持っていき、つついて中の種子を取り出している様子をあちこちで目にしました。そのまま食べるのではなく、口の中いっぱいにほおばって運び、リスのように地面に埋めて冬に備え貯食しているのだとか。食べ忘れたハイマツの種子はやがて発芽し、ハイマツの森が広がる一助になっているそうです。

食べカスいっぱい! / 正面顔は意外といかつい

イワヒバリ

イワヒバリも高山を代表する鳥。ここ乗鞍岳は繁殖地のようで、おチビさんを見ることができました。警戒心が弱めで、こちらがじっとしていればすぐ近くで観察でき、可愛かった~。

砂礫の地面の上にいることが多く、地面そっくりの保護色で全く気付かずに近づいて、飛ばしてしまうことが何度もありました。

畳平お花畑にて。おチビさんです

コマクサをつついていたので、あ!コマクサ食べちゃってる!と思ったのですが、コマクサではなく砂利の辺りをつついて虫でも探しているのでしょうか?イワヒバリは雑食性で、夏は昆虫、冬は種子などを食べるようです。

春から初夏にかけてはいい声でさえずるそうなので、いつか聞いてみたいです♪

カヤクグリ

巣立った兄弟なのか、集まってわちゃわちゃしてました

イワヒバリとよく似ているカヤクグリさん。イワヒバリは地面にいることが多くて、カヤクグリはハイマツの中などヤブヤブした場所にいる印象です。イワヒバリよりもまだら模様が目立たず、くちばしの黄色い模様もカヤクグリにはありません。

赤茶とグレーが大人シックな色合いで、目の虹彩が目立つ涼し気な目元。何だか好みの鳥さんです。

カヤクグリさんも高山の鳥ですが、冬には低山辺りに降りてくることもあるそうです。どこかで会えたらいいなぁ。

なお、カヤクグリは日本固有種。日本にしかいない鳥さんなのだそうです。

なぜか変顔のタイミングのことが多い…

咲いていた花・植物

8月終わりのこの時期は、畳平のお花畑の見頃は過ぎ、キキョウやリンドウなど秋のお花がひっそりと咲く落ち着いた雰囲気でした。実ものは赤くなり始めていましたが、葉っぱは緑で、紅葉はまだ先の様子。

  • 見頃: イワツメクサ、イワギキョウ、トウヤクリンドウ
  • 見頃おわり: コマクサ、チングルマ(綿毛)
  • 見頃はじめ: コケモモ、ナナカマド
花が見れた主な場所

コマクサ: 魔王岳登山口辺りの斜面、富士見岳、最高所記念バス停付近

チングルマ、イワギキョウ、トウヤクリンドウ: お花畑

イワツメクサ: 大黒岳山頂、剣ヶ峰登山道、肩の小屋付近

コケモモ: 魔王岳、大黒岳

ナナカマド: 鶴ヶ池周辺、お花畑

可憐なイワツメクサと色づきはじめたコケモモ
Data

乗鞍岳について(乗鞍スカイラインHP)
https://norikuradake.jp/about/

乗鞍岳バスターミナル
http://norikura-bus.com/

のりくら観光協会公式サイト
https://norikura.gr.jp/
アルピコ交通バス 松本~新島々~乗鞍
https://www.alpico.co.jp/traffic/local/kamikochi/norikurakogen/
乗鞍白雲荘
https://norikura-hakuunso.jimdofree.com/

最後までお読みいただきありがとうございます。バードハイクの参考になればうれしいです。

これで乗鞍岳の記録は最後になります。長々お付き合いいただきありがとうございました!2023年分の山行記録は、まだ尾瀬と入笠山が残っているのに間に合いませんでした。あきらめて来年に持ち越すことにします。もしよろしければお付き合いくださいませ。