鳥と実

山に登り、鳥になごみ、手仕事をして暮らしたい

【山旅・鳥旅】静寂の雨の尾瀬-紅葉のロングハイク(2023年10月) | 野鳥と花編

今回2泊3日の尾瀬旅では、初日の至仏山入り口と、3日目の尾瀬沼南岸の探鳥タイムを設けました。もちろん2日目のハイキング中にも鳥を探しながら歩きました♩
★前回までの記事はコチラ → 尾瀬概要・山小屋編尾瀬ヶ原~尾瀬沼編

鳩待峠~至仏山入り口 (山岳森林エリア)

お昼前に鳩待峠に到着。軽い昼食の後、快晴だったので至仏山に少しだけ登って探鳥しました。1時間程登る原見岩という尾瀬ヶ原が見晴らせるポイントを目指します(至仏山は山の鼻側からは一方通行ですが、鳩待峠側からはピストンOK)。

至仏山の途中の高台から見えた燧ヶ岳。初日だけ快晴でした…

登り始めると活発に飛び回るコガラやヒガラ、ゴジュウカラや、さえずるメボソムシクイがいて、山に来たことを実感。のんびりしすぎて原見岩までたどり着きませんでしたが、木道の先で尾瀬ヶ原と燧ケ岳が眺められたので、満足して下りてきました。往復2時間のハイキングの後、山の鼻まで1時間歩くので、合計3時間の行程です。

見えた鳥・聞こえた鳥

カラ類 (シジュウカラ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ)
ゴジュウカラ
アカゲラ(👂)
メボソムシクイ(👂)
※👂は聞こえた鳥

野鳥観察のポイント

道幅が広い箇所では、登山者の邪魔をせずに立ち止まって探鳥できました。山の樹林帯にいる鳥の声を聞きながら、明るい紅葉の木々の中を登れる気持ちのよい道。多少段差が大きい箇所も。木道部分は1人しか通れない幅なので、ゆっくり野鳥観察は難しいかと思いました。
探鳥場所:標高1,500m付近の山岳地帯の森林

時間帯:お昼すぎ
天気:快晴。風なし。登ると汗をかく程に暑いけど、空気はさわやか。

尾瀬ヶ原 (湿原エリア)

小雨の尾瀬ヶ原歩き。標高1,500m近辺の尾瀬一帯では、秋が深まる10月初めには夏鳥はほぼ帰り、代わって冬鳥が到着し始めていました。まだ居残っていたノビタキとホオアカは少し見れました。マガモもいましたが、渡りなのか尾瀬で夏越ししているのかは不明。

雨で見通しが悪く、鳥も引きこもりがちのため、晴れた日にはもっと他の鳥に会えるのかもしれません。晴れていた初日の夕方にはモズの声が聞こえました。山小屋で相部屋だった方のお話しでは、木道にチョンチョンと歩くベージュの鳥がよく見られたとのこと。誰だったのかな?ヒバリ?ムシクイ?雨の日には出会えず。残念。

真っ直ぐ続く湿原を歩いているとカモが飛んできて手前の池に降りたので、珍しいカモ!?と鼻息荒く双眼鏡で確認したところ、おなじみのカルガモ…。でも、大自然にいるカルガモは、近所のお池で見るよりも生き生きと輝いているような気がしました。

見えた鳥・聞こえた鳥

カルガモ
マガモ?(エクリプスor幼鳥)
ノビタキ
ホオアカ
モズ(👂)

野鳥観察のポイント

木道は1人の幅しかない一本道。人の往来も多く、立ち止まってゆっくり野鳥を見たり写真を撮ったりはしにくいロケーションです。途中メインの木道と交差する分岐があるので、分岐を少し進んだところで落ち着いて野鳥を探すという手もあるかもしれません。

探鳥場所:標高1,400mの湿原と池塘

時間帯:朝~午前中
天気:小雨。風なし。

ちなみに尾瀬の木道は右側通行。歩荷さんへの挨拶は不要で、会釈程度にしましょうとのこと。詳細はコチラ→ 尾瀬マウンテンガイド・ルールやマナー 

白砂峠~尾瀬沼北岸 (沢沿いの森林と湖沼エリア)

見晴から尾瀬沼の間にある白砂峠は沢沿いの明るい森。途中、雨が止んで薄明るくなった時にはカラ類の声が聞こえてきました。また渓流沿いではミソサザイの姿も。

尾瀬沼北岸コースを少し進み、木立の間から沼の景色が見晴らせるポイントで写真を撮っていたら、水面に浮かぶ水鳥がいたので双眼鏡でのぞいたところ、なんとマガン!!! マガンさん、初めてお目にかかります。

マガンさん(証拠写真)。奥で頭を突っ込んで寝ているのはホシハジロ

最初ヒシクイかと思いましたが、後で調べたらくちばしがピンク色で鼻のあたりが白いのでマガンでした。渡りの途中で羽休めに立ち寄ったのか、それともこれから越冬のために続々と集結するのか? こんなところで会えると思っていなかったので、うれしい誤算でした。

雨で薄暗いし、沼が広大なので8倍双眼鏡では太刀打ちできず、ホシハジロとオオバン以外は確認できませんでした。

見えた鳥・聞こえた鳥

マガン!!!(😊)
ホシハジロ
オオバン
アオサギ
ミソサザイ
カラ類 (👂)
※😊ははじめましての鳥。👂は聞こえた鳥

野鳥観察のポイント

白砂峠は細い山道。歩いた日は人が本当に少なくて気兼ねなく立ち止まって鳥探しができました。尾瀬沼北岸線は歩きやすく整備された木道。多少幅が広めなので、通行人に気を付けながら探鳥可能。尾瀬沼は広大で中央辺りに水鳥がいるので高倍率の双眼鏡がベター。

探鳥場所:標高1,650m付近の森林と湖沼

時間帯:昼過ぎ~午後
天気:小雨。霧。風なし。

尾瀬沼南岸コース (水辺沿いの林間コース)

最終日は晴れ間がのぞく天気に回復。朝から昨日と反対岸で野鳥観察。三平下の近くに尾瀬沼越しの燧ケ岳の眺めが素晴らしいビュースポットがあります。ここは広いウッドデッキで鳥見がしやすく、周囲の林でにぎやかなカラ類に混ざりアカゲラやルリビタキ、ミソサザイもいました。

デッキから燧ヶ岳の眺め

尾瀬沼には広い水面を気持ちよさそうに泳ぐキンクロハジロや、くつろぐカワウの姿が。林の中ではカラ類の混軍に遭遇し、キビキビ動くゴジュウカラや、ちっちゃいヒガラちゃんを間近で観察。ガサガサと実をついばむのはガビチョウ!ガビちゃん、こんなところまで進出しているのね…。

ゴジュウカラ / カワウ

帰りの時間になり、大清水に向けて三平峠を歩きはじめたころ、上空を黒雲のように飛ぶ小鳥の大群が。これはどなたでしょうか!? 高い梢から梢に移動して、にぎやかに鳴いていました。戻る途中の夏鳥なのか、それとも渡ってきた冬鳥でしょうか?最後に峠道で小動物の後ろ姿も見れました♩(タヌキ?イタチ?)

見えた鳥・聞こえた鳥

ルリビタキ
ミソサザイ
アカゲラ
ガビチョウ
カラ類(シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラ)、ゴジュウカラ
水鳥(ホシハジロ、キンクロハジロ、カワウ、アオサギ)

野鳥観察のポイント

尾瀬沼南岸コースは、壊れかけた木道や崩落して迂回する道もあり、多少荒れています。細目の木道でアップダウンがあり足元に要注意ですが、深い木々に囲まれて鳥の気配が多く、水辺も近くに感じれられるコースでした。

探鳥場所:標高1,650m付近の森林と湖沼

時間帯:朝
天気:晴れ間がのぞく曇り。風なし。

花と植物

尾瀬の花はほぼ終わりかけでしたが、リンドウがちらほら咲いていました。湿原に咲くエゾリンドウと、樹林帯に咲くオヤマリンドウがあるそうで、こちらは尾瀬ヶ原なのでエゾリンドウでしょうか?

こちらはずいぶん背が低いのですが、トリカブトだと思います。初めて見ましたが、きれいなブルーですね。フグに次ぐ猛毒があるなんて信じられません…。

アザミにとまる初めて見る蝶。ウラナミシジミという蝶だそう。尾瀬ヶ原で見かけました。この時期、花は全体的に尾瀬ヶ原の方が多かったように思います。

終わりに

思いがけず雨のハイキングとなった尾瀬。大人気の観光地にもかかわらず、ほぼ人に会わない峠越えという滅多にできない体験もすることができ、しっとりとした紅葉の森を十分に堪能することができました。今度は水芭蕉が咲く青空の尾瀬が見てみたいです!

また鳩待峠にある鳩待山荘がちょうど建て替え工事をしていたので、完成したら、ここを拠点に至仏山登山や高台にある湿原のアヤメ平を訪れるプランもよさそうです。

広大で様々なコースが選べる尾瀬。人気があるのも納得です!

Trail Data

関越交通尾瀬号
https://kan-etsu.net/publics/index/17/

尾瀬財団
https://oze-fnd.or.jp/
環境省 尾瀬国立公園
https://www.env.go.jp/park/oze/

尾瀬へのアクセス (東京パワーテクノロジー株式会社)
https://www.tokyo-pt.co.jp/oze/access

最後までお読みいただきありがとうございます。山歩きの参考になればうれしいです。