鳥と実

山に登り、鳥になごみ、手仕事をして暮らしたい

【山日記】谷沿いに輝く白い蘭セッコクを見に高尾山へ

セッコクという野生の着生蘭が高尾山で見れると知り、開花シーズンを待って登ってきました。高尾山では例年5月下旬~6月中旬が開花シーズンとのことですが、今年はGW明けから開花したそうで、湿った谷沿いの杉の木に着生する神秘的な白い花を見ることができました。

この時期、高尾山には様々な夏鳥や蝶も飛来していて、初夏の盛りのにぎわいでした。


セッコクはこんな花 ↓

セッコク – 東京都 高尾ビジターセンター


神秘的な白い蘭セッコク

上りは6号路を選択

セッコクは湿度の高い谷間の樹上に着生することが多く、高尾山で野生のセッコクが見れるのは1号路と6号路ということで、今回は6号路で上り、帰りに1号路を利用することにしました。

6号路はケーブルカーを使わず谷間の沢沿いを行くルートで、上りの標準コースタイムは約1時間40分。沢沿いのため足元が湿った場所が多く、岩や木の根で滑らないように注意が必要です。またコース案内で「飛び石」とあるポイントは、たいてい浅瀬をシャバシャバ歩くことになるので、防水の登山靴で登りましょう。利用者が多い人気のコースで、舗装された1号路の感覚で普通のスニーカーで歩いている人も見かけますが、靴がドロドロになって恐らく後悔することになるかと思います。

杉の木に着くセッコクを発見

中腹にあるベンチを過ぎて進んだ辺りで、キビタキの声がしたので探していると、偶然にもセッコク発見!キビちゃん、教えてくれてありがとう~。

湿った杉林の樹上に咲く白い花は、不思議な雰囲気。熱帯のように暑くないんだけど、熱帯雨林ぽいというか…。遠くて見上げるような場所にあったので、ここはバードウォッチャー必携ツールである双眼鏡をすかさず取り出して観察!おかげさまで細部までよく見ることができました。

拡大。ピンクがかったお花もあります
下りの1号路にも咲いていました

この日は下りは1号路を選択。リフトが終了していたため歩く人もまばらで落ち着きを取り戻していました。なお舗装道路ですが急斜面で下りでも結構疲れます。滑り止めの石が埋め込まれたつづら折りの舗装路をずっと下ってきて、傾斜が緩やかになる辺りでセッコクが咲いているのに気づきました。

夕暮れ間近の薄暗い中で見るセッコクは神秘的な雰囲気。花には芳香があるそうですが、残念ながら香りまではわかりませんでした。

ちなみに、ケーブルカー利用の方は、栽培されたものにはなりますがケーブルカー駅構内でも見ることができるそうです。

野鳥情報

目的はセッコクの花でしたが、当然鳥も探してきました。実際に見れたのはオオルリとキビタキだけですが、山の中から様々な鳥の声がしてきて耳で楽しむ探鳥Dayとなりました。

今回、鳥の気配が多かったのは以下の地点

6号路中腹

オオルリキビタキヤブサメなど。谷にさえずりが反響するので、きれいな声がよく聞こえます。沢の浅瀬を渡る辺りでは、ガビチョウが絶好調でさえずっていました。

オオルリのシルエット。いい声でした
もみじ台周辺

もみじ台から一丁平方面に続く尾根道では、遠くに連なる山並みからツツドリホトトギスの柔らかな声が響いてきました。北側の巻き道方面からはキビタキコジュケイの元気な声が。メジロも餌探しに忙しそうでした。

キビタキ。北側巻き道の杉木立で

登山装備が必要な奥高尾ですが、もみじ台下の分岐までなら、ゆっくり鳥見をしながら往復して1時間。整備された広い階段道で下り、もみじ台下の分岐で北側の暗い林の方の巻き道で戻れば広い砂利まじりの道なので危険箇所はありません。なお南側の明るい林の方の巻き道は、場所によって道幅がかなり狭いので要注意です。

もみじ台まで来ると登山者の数がぐっと減り本来の山の雰囲気が味わえホッとします。段差大きめの階段続きが少々辛いですが、尾根からは遠くの山並みの景色が望め、ベンチも何ヶ所かあります。

分岐で引き返さずに真っ直ぐ歩いていくと一丁平~小仏峠~景信山とどんどん高尾山から遠ざかって戻れなくなるので注意!初めての方は、もみじ台を過ぎて階段を下ったら、後ろを振り返り、3つに分かれる分岐を見逃さないように。再び上りが始まったら行き過ぎています。不安な場合は時間で区切り、20分歩いたところで元来た道を引き返しましょう!
 
ビジターセンターにも情報あり

今のシーズンは高尾山に多くの夏鳥が飛来中。山頂にあるビジターセンターの入り口のホワイトボードで野鳥情報が確認できます。クロツグミリュウキュウサンショウクイなども来ているようです。受付で質問することもできて、記念の限定グッズなどもあります (→ ネイチャーショップ – 東京都 高尾ビジターセンター)。

キツツキの巣穴。上下に2つあります。玄関は猿の腰掛。笑
見えた鳥・聞こえた鳥

キビタキ
ウグイス
オオルリ(6号路)
ヤブサメ(👂3号路、6号路)
カケス(6号路)
ツツドリ(👂もみじ台付近)
ホトトギス(👂もみじ台付近)
コジュケイ(👂もみじ台付近)
イカル(👂1号路)
ガビチョウ(山頂、もみじ台巻き道)
アカゲラ or アオゲラ(👂)
コゲラ(👂)
エナガ(1号路)
メジロ(3号路、もみじ台付近)
ヤマガラ(5号路)※たぶん巣立ちヒナ
凡例: 😊はじめまして。👂聞こえた鳥。(  )いた場所★記載がない鳥はあちこちにいました

蝶やトンボも飛び交います

その他、様々な蝶やトンボが飛び交い、山の中は夏の盛りのにぎわい。目当てのアサギマダラは帰りがけに1号路で一瞬見えただけでした。また会いに来なくては…!

あと、写真は自粛しますが、オレンジに黒い模様の巨大ミミズみたいなのがいました。調べたらヤツワクガビルというヒルの仲間みたいです。吸血はせず、ミミズなどを食べるそう。なお昆虫は詳しくないので名前が違っていたらすみません…。

ジャコウアゲハ? / コチャバネセセリ?
Trail Data

高尾山標高599m
ルート: 6号路 → 山頂 → もみじ台 → 巻き道分岐で折り返し → 北側巻き道 → 5号路 → 3号路 → 1号路 → 清滝駅
標準コースタイム6号路上り1:40、1号路下り1:20

高尾山コースマップ(高尾ビジターセンター)
https://www.ces-net.jp/takaovc/?page_id=257

コースや生き物情報はこちらにも↓
TAKAO 599 MUSEUM
https://www.takao599museum.jp/?lang=ja

最後までお読みいただきありがとうございます。山登りの参考になればうれしいです。

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