
コツコツとソロ登山を続けて約5年。昨年の夏は満を持して燕岳に挑戦のつもりが、道路崩落事故が発生。その後懸命の復旧作業により無事に登ることができましたが、この出来事から、自分の体力や環境変化のみならず、道路・登山道の閉鎖、山小屋やバス・ロープウェイ等費用の高騰によっても登れなくなるのかもと痛感しました。
「山はなくならない」と言うけど、山はあっても自分は行けなくなるのかも…との思いから、「また行けばいいや」ではなく1つひとつの山行を大切に味わいたいという気持ちが強くなりました。
そんな気持ちで挑んだ燕岳。「もう2度と行けなかったとしても後悔しないほど楽しみ尽くそう!」をテーマに燕山荘に2泊して朝・昼・晩と絶景を眺め、ランチやカフェも楽しみ、自分の脚で高い山に登ってライチョウに会うという夢も実現。最後の下りは膝が笑ってヨタヨタになりましたが無事に怪我なく元気に下山することができました!
燕岳関連の動画は数多くあるためルートについては触れず、自分に合った山行のために考えた作戦と、連泊プランのメリットについて書いてみようと思います。いつかあの景色をこの目で見たいという方にとって何かしらのヒントとなれば幸いです。
燕岳はこんなところ ↓
記事の最後にデータをまとめています。記事内のデータは登山当時の2025年9月のもの。
燕岳までの行き方
東京方面からは、特急あずさで松本へ、大糸線に乗り換え穂高駅下車、バスで中房温泉へ。約1時間で登山口がある終点の中房温泉に到着です。


燕岳と燕山荘を楽しみ尽くした連泊プランの行程
松本前泊、燕山荘に2泊の全3泊4日の行程がこちら
Day1: 高速バスで松本へ。ホテルに前泊
Day2: 始発5:56の大糸線で穂高駅下車、6:40のバスで中房温泉へ。8:00登山開始→15:25燕山荘に到着。カフェと夕焼けを楽しむ
Day3: 終日、燕山荘の周りで過ごす。朝焼け後、燕岳登頂。日中はパノラマ銀座をハイキングし、戻ってランチ。ライチョウ探しなど
Day4: 7:30に下山開始。12:10無事下山後、12:35のバスで穂高駅へ。14:29の大糸線直通運行のあずさで新宿へ
※山行当時の時刻表です。現在では異なる場合がありますので、各HP等でご確認ください
初日は高速バスで昼頃に松本着。宿泊は駅前のホテルニューステーション。最上階に気持ちの良い檜風呂があり2度目の利用。午後は必要な物の買い出しと散策。レトロな喫茶まるもでのんびりした後、たまたま信毎センターで開催していたライチョウの写真展を見て、ライチョウへの気持ちを高める。

登頂、そして無事下山のための5つの作戦
- 作戦1: 9月頭に狙いを定める
- 作戦2: 筋力不足は時間で補う
- 作戦3: 何を食べるかと、何を食べないか
- 作戦4: メリット色々連泊プラン
- 作戦5: タスクメモを活用
以上の5つです。
作戦1: 9月頭に狙いを定める
大混雑必至の真夏の合戦尾根は狭い箇所も多く、トロい私は自分のペースで歩くことは難しいに違いない。そこで日照時間、台風、暑さなどを考慮し9月の頭を狙うことに。加えて新学期開始直後ならファミリー層や学校関係者が減るかもと淡く期待。
結果、読み通りファミリー層はほぼいなかったもののバス停はやはり長蛇の列。暑さの方は、樹林帯が続く合戦小屋までは蒸し暑く滝汗でした。

バスへの乗車が、燕登山の第一関門。聞こえてきた会話によると、当日の行列次第で追加のバスを出しているが、特にお盆や連休などは全車両を出しても乗り切れない場合もあるようです。
8月下旬以降の平日なので始発バスは夏より遅い6:40。この日は3台のバスがほぼ満席でしたが全員乗れました。
中房線バスの詳細はこちら: https://nan-an.co.jp/nakabusa/

作戦2: 筋力不足は時間で補う
朝一の特急あずさでも登山口到着は昼の12時過ぎ。標準コースタイムで4~5時間+休憩のため山小屋到着の16時までには到底間に合わず。松本に前泊し、始発バスに乗ることにしました。



バス酔いしたため登山口でゆっくり準備を整える内に第一陣が出発。おかげでトイレも行列せず、空いた登山道を落ち着いて出発できました。特に登りはじめは細い急登が続くので、しんがりスタートでペースを保てたのは正解でした。

各ベンチでは必ず荷物をおろして休憩を取り、合戦小屋で昼ごはん。その後は少し傾斜が緩むのでペースが上がるかと思いきや高山域に入るため呼吸が苦しく脚が思うように進まず。結局最後まで誰よりも遅いペースだったかもしれませんが、それでも当日朝に東京を発ちお昼出発だったと思われる人の波よりは先に燕山荘に着くことができました。


作戦3: 何を食べるかと、何を食べないか
長年生きてきて、ある食材を採ると胃痛や妙な疲労感が起こることを今さらながら発見。アレルギーとは別の症状で、日常生活では見過ごしてしまうような軽度のものでも登山中だととにかくしんどい。
そのため今回は素泊まりにして初の自炊に挑戦。食材やガス缶等で荷物の負担が増えた代わりに、食事由来で体調が落ちることはなかった点は今回の収穫。

摂取の方も意識し、各ベンチではアミノバイタルゼリーを都度チビチビ飲み、行動食も補給。食べすぎると消化に血液が持ってかれるので、合戦小屋では豚汁のみにして、朝の松本で買ったおにぎりを食べました。豚汁おいしかったー。



不足しがちなタンパク質は、小袋の小魚アーモンドやツナ、鰹節などを取り入れました。セブンプレミアムのアーモンドフィッシュがお気に入り。
作戦4: メリット色々連泊プラン
今回の連泊プラン、後から振り返ると実はメリットが色々あることに気づきました。
- 予想以上に消耗して一晩寝ても疲労が回復しなかったとしても、連泊であればかなり休養できるし、気持ち的にも余裕が生まれる
- 中日は予備として天候や体調に合わせてアレンジ可能。気の向くままにのんびりしたり、写真撮影や探鳥を満喫、大天井方面へのハイキングもよし
- 朝焼け・夕焼けのチャンスも2回ずつ (おおむね晴れでも意外と焼けない…)
- ライチョウも時間帯と場所を変えて何度もじっくり探せる
- カフェとランチ、どちらもあきらめない余裕あり



作戦5: タスクメモを活用
以前TJARのテレビ番組で、各ポイントでの細かなタスクリストを書き出したメモを活用する選手を見たことがあり、今回まねしてみることに。頭でやろうと思っていても、いざとなるとスコンと抜けるんですよね。

- 電車やバスの時刻表
- 現金払いが必要なものの料金
- 前日の松本で調達するもの
- 期間中の食事のメニュー
- 各ベンチでやること(補給、ストレッチ、レイヤリング、ポールしまう*、カメラ出す等)
これらをDay1からスケジュールごとに書き出した小さい1枚ペラをサコッシュに忍ばせ、行動中に都度チェック。スマホでも見れますがアナログな紙のが手軽。

トレッキングポール(ストック)は鎖やハシゴがある時はしまいますが、燕山荘までにそんな激しいところあったっけ?と思われたかもしれません。実は燕岳登山では森林限界を超えた後はポールの使用を控えるように呼びかけられています。燕岳を構成する花崗岩はもろく崩れやすく、多くのハイカーが利用する登山道は年々劣化が進んでいるのだそう。詳しくはリンクの[山の歩き方]11番をご参照ください。
こちらのページにはその他にも初心者に向けて有益なアドバイスが載っているので、登る前にご一読されると参考になると思います。
燕山荘HPの初めての方へページはこちら: https://www.enzanso.co.jp/beginners

作戦の結果、余裕を残して燕山荘に到着。課題としていた上りの筋肉はどうやら足りたようで、その証拠に翌日も脚の疲れはあまりなく行動できました。むしろ足りないのは肺活量かも。そしてラスボスは下山。下りは得意だし、あっという間に合戦小屋を通過し第3ベンチまで下りてきたものの、そこから先がブレーキ。急激に脚が疲れはじめ、段差はお尻をついたり、ハシゴのように背中を向けたり。無様でもとにかく怪我をしないことが重要。合戦尾根は上りより下りで怪我が多いというのも納得

長くなりましたが、以上が燕岳チャレンジの概要です。次回の記事は、燕岳で過ごした山の休日の1日をお伝えしたいと思います。
燕岳標高2,763m
ルート: 中房温泉登山口 → 合戦尾根 → 燕岳のピストン
コースタイムのぼり5:20、くだり3:40 累積標高差1270m (Yamap実績値)
燕山荘HP
https://www.enzanso.co.jp/enzanso
中房温泉行定期バス (南安タクシー)
https://nan-an.co.jp/nakabusa/
最後までお読みいただきありがとうございます。山登りの参考になればうれしいです。
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