鳥と実 a Bird Hiker's log

鳥を見ながら山に登る

【山旅・鳥旅】駒ヶ根前泊で登る木曽駒ヶ岳(2025年8月) | ③駒ヶ根さんぽ

8月の木曽駒ヶ岳遠征記録の3回目は、前泊地の駒ヶ根市街のおさんぽレポートです。

実はずいぶん昔に高遠のお花見のついでに駒ヶ根高原に立ち寄ったことがあります。その時はまだ山に興味はなく、やたらと「千畳敷カール」という文字を目にするけど、カール?何かの施設?という感じでした。ただ、湖に映る山が美しかったこと、道端に咲き揃う水仙がかわいかったこと、空き巣に入られた知人にカッコいい狼みたいな柄のお守りを買っていったら喜ばれたことなど、いい印象が残りました。

引っ張り出してきた昔の写真。湖だと思っていたのは、駒ヶ池に映る木曽駒のリフレクションでした

今回、木曽駒へのアクセスを調べていて、そういえば昔行ったところだ!と思い出し、前泊してもう1度歩いてみようかなということになりました。

駒ヶ根はこんなところ ↓
https://www.kankou-komagane.com/

 Point

木曽駒ヶ岳のふもとに広がる駒ヶ根高原は、見上げれば木曽駒宝剣岳、振り返れば青々とした田んぼ越しに南アルプスの山並みが見渡せ、側溝には清涼な水がザバザバ流れる澄んだ空気を感じる土地。前泊して由緒あるお寺や川沿いの遊歩道を散策したり、登山後に立ち寄り温泉で汗を流して、美味しいものを食べたり…。登山の行き帰りにただ素通りしてしまうのはもったいない楽しめるエリアでした

木曽駒遠征記事①登山口までと②霧の千畳敷カールと途中撤退はこちら →
登山歴はプロフィールをご参照→
記事の最後にデータをまとめています(記事中の情報は2025年8月時点のデータ)

駒ヶ根さんぽのマップとバス

今回は駒ヶ根ファームス光前寺周辺を散策。車があればアサギマダラの里くらすわの森など、ほかにも気になるスポットが点在。コチラの駒ヶ根観光協会パンフレットから色々な散策マップがダウンロードできます。なかなかの充実ぶり。
https://www.kankou-komagane.com/begginer/guidebook/

【徒歩で周る場合のHint】

  1. 全てを歩き通すとかなり疲れるので、高速バスが到着する女体入口JR駒ヶ根駅と、駒ヶ根ファームスの間は、路線バスを利用するのがおススメ。
    伊那バスロープウェイ線のマップ ↓
    https://www.ibgr.jp/komagatake-ropeway/map/
  2. 今回はタイミングが合わず利用しませんでしたが、期間限定で主要な観光スポットを巡る周遊バスも運行しています
    中央アルプス山麓周遊KOMAGANEさんさんバス
    https://komakusa-kanko.com/sunsun_bus/

霊犬早太郎伝説

ワンちゃん連れが集う光前寺

駒ヶ根市には、犬を連れてお参りする人々が集い通称「わんこ寺」とも呼ばれるお寺があります。早太郎の言い伝えが残る光前寺さんです。

 早太郎伝説

今から約700年前、光前寺で「早太郎」という勇敢な山犬が飼われていました。
当時、遠州府中 (現在の静岡県磐田市) の見付天神社では、田畑を守るために祭りの日に選ばれた家の娘を神に捧げるという悲しい人身御供の風習がありました。
ある年、旅の僧・一実坊弁存がその風習に疑問を抱き、祭りの夜に様子を見ていたところ、怪物 (老ヒヒ) が現れ「早太郎は居るまいな」と言いながら娘をさらっていきました。
弁存は信州へ向かい、光前寺で早太郎を見つけて借り受け、見付村へ戻ります。
次の祭りの日、早太郎は娘の代わりに怪物と戦い、村人を苦しめていた怪物を退治しました。
戦いで傷を負った早太郎は光前寺に戻り、最後の力で吠えて息を引き取りました。
現在、光前寺には早太郎の墓があり、弁存が供養のために写経した《大般若経》も寺の宝として残されています。

光前寺さんHP掲載の早太郎伝説を、新しくなったPCのAIで要約してみたら瞬時に上記の結果が表示されてびっくり!
参照元はコチラ: http://www.kozenji.or.jp/contents/hayatarou.html
 

なお、早太郎を借りた先の見付天神にも「霊犬しっぺい太郎」として早太郎が祀られているそうです。しっぺい太郎伝説が素敵なイラストで描かれていたので、こちらのリンクもぜひご覧になってみてください。

www.mitsuke-tenjin.com

光前寺は女体入口バス停から徒歩20分くらい。カラッとしていても日差しは強烈で消耗していると、門前に冷やし甘酒のスタンドが!吸い寄せられるようにして期間限定レモン甘酒を注文。さっぱりした乳酸菌飲料のようで、あっという間に飲み干しました。生き返る~。

お店のお姉さんに伺ったところ、甘酒には酒粕タイプと米麴タイプがあり、こちらのお店は米麴タイプなのでお酒臭さはなく飲みやすかったです
 
境内ひんやり。-5℃は涼しいかも

山門をくぐると左右は手入れが行き届いた苔の参道で、石垣の隙間にはヒカリゴケが自生しています。最近は減ってしまったそうですが、1ヶ所で見ることができました。本堂までは立派な杉並木が続き、由緒あるお寺であることが一瞬でわかる佇まい。庭園の池には豊富な水が注がれ、あんなに暑かった車道とは一線を画す涼しさ。東京も全て森で覆ってしまえばいいのに!と思わずにはいられませんでした。本堂脇に流れ出る「延命水」をひと口いただき、元気で山に登れますようにとお願いしてきました。

上右: レンゲショウマ / 上左: 苔の参道 / 下: タマアジサイが咲く境内の池

本堂でお参りし、三重塔方向に足を進めると早太郎のお墓があります。その先に早太郎の石像も。光前寺のおみくじやお守りは犬のデザインが多く、私も柘植彫りの根付守りをいただき早速リュックに付け、早太郎に見守られて木曽駒を登りました。

参拝を終えるとちょうどお昼時で向かいのお蕎麦屋さんへ。長野に来たらやっぱりお蕎麦。

光前寺の山門越しに南アルプスの眺望

駒ヶ根高原を散策

駒ヶ池

この後は歩いて駒ヶ池へ。上り坂で少し疲れましたが、のんびり30分ほどで到着。この道沿いは観光客の姿もちらほら。途中、現在は駒ヶ根郷土資料館として利用されている駒ヶ根市役所の旧庁舎がありました。素敵な洋風建築で大正時代のものだそう。

坂を登り切ると大沼湖。鳥さんは特に見当たらず。ちなみに、この後の駒ヶ池にはカイツブリが1羽だけプカプカしていました。暑い最中の真昼間ですからね…。

駒ヶ根ファームス

駒ヶ池を周り少し進むと道の駅風の施設が見えてきます。飲食店やお土産、産直ショップなどが集まる駒ヶ根ファームスです。ベンチや木陰のテーブル席があり、川沿いには整備された遊歩道も。お蕎麦を食べたばかりなので、とりあえずは大田切川にかかるこまくさ橋方面へ。広い河原にかかる吊り橋は、両側に木曽駒ヶ岳と南アルプスを見渡せるビューポイント。ちなみに今回の木曽駒ヶ岳の記事①のトップの写真はこまくさ橋です。

河原から見上げるこまくさ橋

駒ヶ根ファームスの隣は木曽駒ヶ岳へのアクセス拠点の菅の台バスセンターなので、登山帰りの方もちらほら見かけました。近くに立ち寄り温泉「こまくさの湯」やソースカツで有名な明治亭もあるので、木曽駒山頂の山小屋で1泊して早めに下山し、この周辺でお風呂と食事を楽しむプランも良さそうです♪

 Memo

私はといえば、暑い中歩き回ったせいで熱中症気味になり、河原の岩に腰かけて日陰で涼むも一向に暑気が体から抜けていかず…。川遊びをする子供たちを横目に耐え切れず、えーい私も!と勢いで暑苦しい登山靴と分厚い靴下を脱ぎ、川の水に足を浸けてしまいました。ひんやり流れる水とゴロゴロした砂利を素足で踏む感覚は妙になつかしく、なんだかんだこの夏一番の思い出です。脳内には井上陽水の少年時代。なぜか夏の暑い長野ではこの曲が頭に流れます。笑

ようやく復活し、駒ヶ根ファームスでおいしいすずらん牛乳ソフトを食べてからホテルへ。楽しい夏の1日さんぽとなりました

Trail Data

木曽駒ヶ岳標高2,956m
駒ヶ岳ロープウェイWEBサイト : https://www.chuo-alps.com/

アクセス : https://www.chuo-alps.com/access/

ハイウェイバスドットコム新宿~伊那・飯田線 : https://www.highwaybus.com/gp/reservation/rsvPlanList?lineId=130
駒ヶ根観光協会 : https://www.kankou-komagane.com/
光前寺: http://www.kozenji.or.jp/
伊那バスロープウェイ線: https://www.ibgr.jp/komagatake-ropeway/map/

最後までお読みいただきありがとうございます。山旅・鳥旅の参考になればうれしいです。

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